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海からくるもの(ほら話)
JUGEMテーマ:日記・一般

 十数年前の話。なので記憶も曖昧なので一部補完している部分があります。

場所は北海道の北の海水浴場。
友達は男3女3で海の家を借りて泊まりがけで遊びに行った。
その中に私はいない。
とりあえず、運転できない男はいらないということだったようだ。(てか、人数的にあぶれたのか?)

そこに行った男グループと飲むことになったとき友達が「行かなくて良かったな」と言った。
男の誰かが急ぎすぎて上手くいかず一族郎党のように誰も女子と上手いこといかなくなったのだろうと思ったら違った。

最初は渋っていたが酒が大分回ってきたころようやくしゃべる気になった。
こっちは酒が飲めないからじれていたのでやっとの思いだった。

北海道の北の海水浴場では湘南辺りの海の家なんか流行らない。
あまりにも夏が短いので儲けにならない。
そのためペンションのなようなものと海の家のようなものがドッキングしたようなものがあるそうだ。
人から聞いた話で十数年も前の話なので当てにならないが。

さて、そんな場所で足を水に浸すことくらいしかできないような冷たい海だが、それでも夏の海となれば、少しはテンションも上がるのが若気の至りというものだろう。

海+男+女+夜=火遊び
みたいな理屈でことが始まった。

もちろん花火だ。

食後のお楽しみとして花火をすることになった。
海の家の近くはコンクリなので、せっかくだから砂浜でやろうと少し歩いて砂浜に出た。
それどほ距離はないところですぐに砂浜になるからそこまで行くのは面倒ではない。
ほんの10メートルちょっとくらいのものだろう。

最初は楽しくやっていたが、途中から雲行きが怪しくなった。

20、30メートルくらいの距離に小型の漁船が何艘か置いてあった。
漁船と言っても大型のボートにエンジン(モーター?)を取り付けるようなタイプのそんなに大きなものあないやつだ。

参加していた女の子のAちゃんが「ねえ。なんかあそこからずっと人が見てるんだけど」と漁船の方に目配せしながら友人に話しかけてきた。
どれどれと男友達は漁船の方を見た。
「誰もいないじゃん」と男友達はそう言ってAちゃんを見た。

「うそ。あそこにいるでしょ!」とAちゃんは指さした。
男友達はそっちに視線を送るが誰もない。

男友達はなにか盛り上げるためにそんなことを言っているのかと思った。
「ほら。こっち見てるじゃない」とAちゃんは声を荒げて必死になっている。
「やだ。こっちに来る。ねえ。近づいてくる」とAちゃんはさらに声を荒げて必死に訴えるが男友達には見えない。

声が大きくなったので他の友達も何事かとAちゃんの周りに集まった。
「嫌! ここは嫌!」
そう言っているが動こうとはしない。
「じゃあ、海の家戻ろうか」と腕を取ったがやはり動かない。
「来る。こっちに来る」とAちゃんは大騒ぎをしているが、微動だにしない。
異常な状況に男3人が抱えるようにして動かそうとする。

するとぐずった子供のようにいやいやして掴まえられない。
「こっちに来る。こっちにーーーーーーーー」

さすがに常軌を逸していると思い1人が後ろから抱きつくようにして押さえ込み、1人が足を持ち上げたところで、もう1人が腰の辺りを支えるという不自然な形で無理矢理移動した。

船の方を見せると騒ぎ立てるので顔をそっちに向かないよう残った女の子2人が船と女の子の間に入るように壁になった。

「ぎゃーーーーーーーーーっ!」

再びAちゃんが悲鳴を上げる。
それは絶叫に近いものだった。

Aちゃんはちょうど海が見えるような体勢になっていた。

「海から。海から来る。たくさん来る」
そう言って暴れ始めた。しかし、Aちゃん以外誰も海には何も見えない。ただ小さな波が寄せては帰すばかりだった。
じたばたするAちゃんに振り解かれそうになるがここで振り解かれるとやっかいなので、力の限り押さえ込んだ。
結果Aちゃんの後頭部が船側になるよにして、女の子2人で海を遮りなんとか海の家までたどり着いた。

暫くAちゃんは「近づいてくる。どんどん来る」などと叫んだりブツブツ言っていたらしいが、突然気を失って倒れた。
とりあえず、寝室のAちゃんをベッドに寝かせて窓から外を見るがなんともない。

ダイニングというか海の家のように人が集まることのできる広間に残りのメンバーで集まり暫く話し合って花火の続きをしようかということになった。
どのみち花火を片付けないとならないから外に出なければならない。
人影もまったく見えない。
何より夏の思い出がこれでは台無しだ。それが勝っていた。

いざ外に出ようとドアに手をかけた。

「開けないで。入ってくるから」

いつの間にかAちゃんがいた。
見えない何かよりもいつの間にか背後に現れたAちゃんの方が怖かった。

「ほら、もうそこまで来てる。海からどんどん来る。窓のところ!」
泣きながら半狂乱でAちゃんはそう言った。
しかし、誰も何も見えない。

そして、この時点で全員の心は折れた。

見えていない方が間違っているような気になったからだ。
そうなると穏やかな夜の海が不気味なものに思えてならない。
波のリズムに合わせて水面に何かが出てきそうだった。
岩場の陰に何かが潜んでいるかもしれない。
漁船の陰に何かが潜んでいるかもしれない。
疑うとどんどん恐怖が濃くなり言葉は悪いが1人はAちゃんを見張り、残りの全員で鍵の確認をすることにした。
それから全員で広間に集まり朝まで寄り添って眠ることにした。
当然Aちゃんを見張る形で。いきなり起きてどこかに行ったりしないかという怖さがあった。

風の音でさえ何か悪意のあるものが起こした行動のように思えた。
海なのだから海風が吹き付けるのは当たり前だ。
しかし、海から上がってきたものが何かをしているような気がして震えた。
当然こんな状況で眠れるわけもなく朝を迎えた。
あれから目覚めることなくAちゃんは眠っていた。

恐怖の夜は明けた。
結局なにも起こらなかった。

「おはよう」

全員がAちゃんを見た。
「ごめんねー。なんか夕飯食べたら眠くなっちゃって。みんな花火したの?」

全員の頭に浮かんだのはそれだけだった。

1人の女の子が「ちょっと。Aちゃん昨日……」と言いかけて口を噤んだ。
きっと本当に覚えていない。
これが冗談だとしたら昨日の夜の出来事はいったいなんだったのか。
誰も得をしないことを敢えてやる理由が見あたらない。
後々わかるのだが女子の間ではこのメンバーの中で両思い確定なAちゃんがその空気を壊す理由はないとのことだった。
だが、こんな状況で意中の男がAちゃんに対する思いが変わったとしても仕方がなく、なんとなく疎遠になり2人は結ばれることはなかった。

結局Aちゃん以外誰も何も見ていない。
実際に見えていたのか。
何かが原因でヒステリーを起こして幻覚を見ていたのか。

ただ、これを書いているときに限って異常なくらいに肩が重くなりこんな文章なのに三日以上かかった。
何かに邪魔されたかな?

皆様の身に何も起こりませんように。

| ほら話 | 23:16 | comments(0) | - |
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